ホームページを作ろうとすると、必ずぶつかるのが「写真が足りない」問題です。そこで魅力的に見えるのが、AIで画像を生成するという選択肢。数分で、それらしい画像がいくらでも作れます。
ただし、AI画像には使ってよい場所と、使ってはいけない場所があります。線引きを間違えると、便利どころか信頼を失う原因になります。この記事では、その線引きと、使う前の確認ポイントを実務目線で整理します。
大原則:「実在すると誤解させない」
ホームページの写真には、飾り以上の役割があります。「この店は本当にある」「この人が本当にいる」という実在の証明です。お客さまは、外観写真で店を探し、スタッフ写真で安心し、施工事例で腕を判断します。
その場所にAI画像を使うことは、無いものを有ると見せることと同じです。そして、AI画像は思っている以上に見る人に伝わります。「実物だと思っていたら作り物だった」と気づかれた瞬間、その画像だけでなくサイト全体の情報が疑われます。
使ってよい場所・避けるべき場所
使ってよい場所
- ブログ・コラム記事のアイキャッチ(イメージ画像)
- サービスの概念を伝えるイラストや図解
- アイコン・装飾・背景素材
- 「イメージです」と分かる文脈での挿絵
避けるべき場所
- 店舗の外観・内装(実物と誤解される)
- スタッフ・代表者の写真
- 施工事例・施術のビフォーアフター
- 商品・料理の写真
- 「お客さまの声」に添える人物写真
判断基準はひとつです。「見た人が、実物の写真だと思うか?」。思うなら、その場所にAI画像を使ってはいけません。
権利と規約の確認ポイント
使ってよい場所で使う場合も、公開前に次を確認します。
- 生成サービスの利用規約:商用利用が許可されているか。無料プランでは商用不可、有料プランで可、というサービスもあります。規約は変わるので、利用開始時点の条件を確認します
- 既存の作品・キャラクターに似ていないか:特定の作品やキャラクター、実在の人物に酷似した生成物は、権利トラブルの火種になります。「有名な〇〇風で」という指示で作った画像は特に注意が必要です
- 写り込み:他社のロゴ、ブランド品、有名人の顔らしきものが紛れ込んでいないか
- 記録:どのツールで、いつ、誰が生成したかをメモしておくと、後から確認が必要になったとき困りません
AI生成物の法的な扱いは、国内外で議論が続いており、今後変わる可能性があります。「規約で商用利用可」を最低ラインとしつつ、権利関係が不安な用途では使わない判断が安全です。
品質面の確認(意外と見落とす)
権利より先に、見た目で信頼を落とすケースもあります。公開前に画像を拡大して確認してください。
- 手・指・文字の破綻:指が6本ある、看板の文字が読めない文字列になっている、はAI画像の定番の破綻です
- 日本らしさのズレ:日本の店の記事なのに海外風の内装、左ハンドルの車、見たことのない街並み——読者は違和感として感じ取ります
- テイストの混在:実物写真とAIイラストがページ内でバラバラに混ざると、ちぐはぐな印象になります。使うなら「記事のアイキャッチは全部同じテイストのイラスト」のように揃えます
現実解:実物写真とAI画像の分担
結論として、小規模事業者の現実的な分担はこうなります。
- 信頼に関わる場所(外観・人・実績・商品):スマホでよいので実物を撮る。撮り方はホームページ用写真の準備の記事で解説しています
- 撮影できないもの(概念・イメージ・図解):AI画像やイラストを使う
「写真を用意する手間をAIで全部飛ばす」のではなく、「撮れないものだけAIに任せる」。この分担なら、信頼を落とさずに制作の手間を減らせます。
実践:AI画像を使う前のチェックフロー
手順1. 使う場所を書き出し、「実在誤解テスト」にかける
使いたい場所をリストにして、「実物だと思われるか?」で判定します。ひとつでも引っかかったら、その場所は実物写真に切り替えます。
手順2. ツールの商用利用条件を確認する
利用中のプランで商用利用が許可されているか、規約ページで確認します。確認した日付もメモしておきます。
手順3. 生成物を点検する
既存作品との類似、ロゴや人物の写り込み、手・指・文字の破綻を、拡大表示で確認します。
手順4. 記録を残して公開する
ツール名・生成日・使用場所を1行メモに残します。あとは通常の画像と同じく、サイズを整えて公開します。
AI画像の確認チェックリスト
- 実物と誤解される場所(外観・人・実績・商品)に使っていないか
- 商用利用が規約で許可されているか
- 既存の作品・キャラクター・実在人物に似すぎていないか
- ロゴやブランド品の写り込みがないか
- 手・指・文字などの破綻がないか
- サイト内でテイストが揃っているか
- ツール名と生成日の記録を残したか
よくある質問
無料の画像生成ツールで作った画像を、会社のホームページに使えますか?
ツール次第です。無料プランでは商用利用を制限しているサービスがあるため、必ずそのツールの規約を確認してください。「無料で生成できた=自由に使える」ではありません。
「AI生成画像です」と明記すべきですか?
法律上の一律の義務は現時点でありませんが、イメージ画像である旨の注記は誤解を防ぐ有効な手段です。特に、実物写真と並ぶ場所で使う場合は「イメージ」と添えておくと安全です。
スタッフの顔写真を出したくないので、AI画像のスタッフ紹介にしたいのですが
実在の人物として見せるのは避けてください。存在しないスタッフがいると誤解させることになります。顔を出したくない場合は、後ろ姿や作業中の手元の実物写真、似顔絵イラスト(AI生成でも「イラスト」と分かるもの)が現実的な代替です。
フリー素材とAI画像はどちらがいいですか?
用途によります。フリー素材は品質が安定していますが「他社サイトと同じ写真」になりがちです。AI画像は独自性を出せますが、この記事の確認事項がついて回ります。いずれにせよ、信頼に関わる場所は実物写真が最強です。
まとめ
AI画像をホームページで使う判断は、次の3段階で整理できます。
- 実在と誤解される場所(外観・人・実績・商品)には使わない
- 使う場合は、商用利用の規約・類似・写り込み・破綻を確認する
- 信頼に関わる写真は実物、撮れない概念図はAI、と分担する
小松のホームページ制作では、写真の準備の相談から、AI画像を安全に使える範囲の整理までお手伝いしています。お気軽にご相談ください。