本文へスキップ
AI活用・業務効率化 2026年6月現在の情報

AIで社内マニュアルのたたき台を作る手順

「あの作業、〇〇さんしか分からない」——小さな会社ほど、業務が特定の人の頭の中だけにある状態(属人化)が起こります。マニュアルが必要なのは分かっている。でも、作る時間がない。この状態が何年も続きます。

進まない原因ははっきりしていて、文章にする作業が重いからです。そこでAIの出番です。人は「知っていることを話す(メモする)」だけ、文章化と体裁はAIに任せる。この分担なら、1業務あたり30分でたたき台ができます。

発想の転換:「書く」のではなく「話したことを整えさせる」

マニュアル作りの工程を分解すると、こうなります。

  • 人にしかできない:作業の内容を知っていること、例外や注意点の知識
  • AIに任せられる:構成に整理する、読みやすい文章にする、抜けを指摘する

従来は両方を人がやっていたから進みませんでした。知識だけ人が出して、面倒な部分をAIに渡す。以下、その具体的な5手順です。

手順1. 対象の業務を1つ選ぶ

最初の1本は、次のどれかに当てはまる業務から選びます。

  • 担当者が1人しかいない業務(その人が休むと止まる)
  • 新しい人によく聞かれる業務
  • 月1回しかやらず、毎回思い出すのに時間がかかる業務

いきなり大物(月次の経理処理など)を選ばず、15分で終わる業務から始めてください。1本完成させて型を作るほうが、結果的に速く進みます。

手順2. 作業しながら「実況メモ」を作る

対象の業務を実際にやりながら、やったことを順番に1行ずつメモします。スマホの音声入力で独り言を吹き込むのが一番楽です。

きれいに書く必要はまったくありません。「経理ソフトを開く」「先月分のボタンを押す」「ここの数字が合わないときがあるので注意」——この程度の走り書きで十分です。パソコン作業なら、ついでに画面のスクリーンショットを撮っておくと、あとで貼るだけで図解になります。

手順3. AIにたたき台を作らせる

実況メモを、次の指示文と一緒にAIへ渡します。

以下は「〇〇(業務名)」の作業を実況したメモです。これを社内マニュアルに整えてください。

・構成:目的/実施のタイミング/準備するもの/手順(番号つき)/注意点/完了の確認方法
・文体:です・ます調。1手順は短く
・メモから読み取れない箇所、情報が足りない箇所は、勝手に補わず【要確認】と印を付けてください

(ここにメモを貼り付け)

コツは最後の一文です。「分からない箇所は【要確認】と印を付けさせる」ことで、AIがもっともらしく創作した手順が紛れ込むのを防げます。出力に【要確認】が並んでいたら、それはメモの抜けを教えてくれる指摘リストです。

手順4. 現場の知恵を足す

たたき台に、人にしか書けない情報を追記します。マニュアルの価値は、実はここで決まります。

  • よくあるミス:「ここで〇〇を忘れがち」
  • 例外の扱い:「△△の場合は手順3を飛ばす」
  • 判断基準:「数字が合わないときは、進めずに□□さんへ相談」

特に「どこで手を止めて人に聞くべきか」の線引きは、AIには絶対に書けない、担当者だけが持っている知識です。

手順5. 別の人に使わせて直す

完成したら、その業務を知らない人にマニュアルだけを渡して作業してもらいます。詰まった箇所が、そのまま直すべき箇所です。

改訂もAIに任せられます。「手順3と4の間に、次の作業を追加して全体を整えて」と渡すだけです。仕上げに、保存場所(共有フォルダなど)と「作業が変わったら直す担当」を決めれば、育つマニュアルになります。

マニュアルたたき台のチェックリスト

  • 15分で終わる業務から始めたか
  • 実況メモは「やった順」になっているか
  • 指示文に【要確認】ルールを入れたか
  • 【要確認】箇所をすべて埋めたか
  • よくあるミス・例外・相談の基準を追記したか
  • 業務を知らない人が、マニュアルだけで作業できたか
  • 保存場所と更新担当を決めたか

よくある質問

社内の業務手順をAIに入力しても大丈夫ですか?

一般的な業務手順であれば、リスクは比較的小さい情報です。ただし、顧客名・取引条件・パスワード・未公開の数字がメモに混ざっていたら、渡す前に必ず伏せてください。会社としての線引きはAI利用ルールの記事で解説しています。

動画マニュアルとどちらがいいですか?

併用が理想ですが、先に作るべきは文章です。文章は検索・修正・印刷ができ、更新も一部差し替えで済みます。動画は「文章で伝わりにくい操作」の補足として、スマホで撮って添える程度が現実的です。

AIが作ったたたき台を、そのまま配ってはだめですか?

おすすめしません。手順4の「現場の知恵」が入っていないマニュアルは、一般論の作業説明にすぎず、実際のトラブル時に役立ちません。追記があってはじめて自社のマニュアルになります。

作ったあと、更新が続きません

「作業のやり方が変わったその日に直す」をルールにするのが唯一の対策です。あとでまとめて直そうとすると、何が変わったか思い出せなくなります。直す作業自体はAIに任せられるので、変更点を1行メモして投げるだけの運用にしてください。

まとめ

AIを使った社内マニュアル作りは、5手順で回ります。

  • 15分で終わる業務を1つ選ぶ
  • 作業しながら実況メモを取る(音声入力が楽)
  • 【要確認】ルール付きの指示文でたたき台を作らせる
  • ミス・例外・相談基準という「現場の知恵」を足す
  • 知らない人に使わせて直す

まずは今日の業務からひとつ、実況メモを取ってみてください。

小松のAI活用支援では、マニュアル整備をはじめ、属人化した業務のAIを使った仕組み化をお手伝いしています。お気軽にご相談ください

← コラム一覧に戻る

まずはお気軽に
ご相談ください

ホームページ制作・MEO・AI導入など、小さなご質問でも構いません。