補助金の申請方法を調べていくと、必ず出てくるのが「GビズID」という言葉です。「また新しいアカウント?」「どれを取ればいいの?」と、ここで手が止まる方は少なくありません。
先に要点だけ言うと、GビズIDは行政手続き用の、会社の共通アカウントで、取得は無料。ただし補助金申請に使う種類は発行までに時間がかかることがあるため、締切が見えてからでは遅い場合があります。この記事で、種類の違いと取得の段取り、取得後の管理までを整理します。
GビズIDとは:行政手続き用の「会社の共通アカウント」
GビズIDは、デジタル庁が提供する事業者向けの共通認証サービスです。1組のIDとパスワードで、複数の行政サービスにログインできます。
- 補助金の電子申請(jGrants)
- 社会保険関係の電子手続き
- そのほか、対応する行政サービス各種
銀行やSNSのアカウントと違い、「事業者として」行政とやり取りするための身分証のようなものです。一度取得すれば、補助金のたびに新しいアカウントを作る必要はありません。
3つの種類と、補助金申請で必要なもの
GビズIDには種類があり、できることが違います。ここを誤解すると申請直前に詰まります。
gBizIDプライム(代表者用・審査あり)
事業の代表者が取得する、フル機能のアカウントです。取得時に本人確認と審査があります。補助金の電子申請には、原則としてこのプライムが必要です。
gBizIDメンバー(従業員用)
プライムを持つ代表者が、従業員向けに発行できるアカウントです。担当者に実務を任せる場合に使います。まず代表者のプライムがないと発行できません。
gBizIDエントリー(即時発行・機能限定)
すぐ作れる簡易版ですが、使える手続きが限られます。「とりあえずエントリーを作ったから大丈夫」と思っていたら、肝心の補助金申請はプライムが必要だった——これが定番のつまずきです。
どの種類が必要かは制度ごとに案内されるので、応募する補助金の公募要領とGビズID公式サイトの両方で確認してください。
取得の流れと、かかる時間
プライムの取得方法は、大きく2系統あります。
- オンライン申請:マイナンバーカードを使って本人確認する方法。比較的早く発行されます
- 書類申請:必要書類(印鑑証明書など)を郵送する方法。審査と郵送の分、日数がかかります
いずれもワンタイムパスワードの受信用に、SMSを受け取れる携帯電話番号が必要です。必要書類や手順の詳細は変わることがあるため、最新はGビズIDの公式サイトで確認してください。
大事なのは時間感覚です。発行までの日数は申請方法や混雑で変わり、数日で済むこともあれば、想定より待つこともあります。「補助金を使うかもしれない」と思った時点で取得しておくのが、唯一確実な対策です。取得しておいて損はありません(無料で、維持費もかかりません)。
取得後の管理:会社のインフラとして扱う
GビズIDは一度取ったら終わりではなく、今後の行政手続き全般で使う会社のインフラです。次の3点を決めておいてください。
- ID・パスワードの管理場所:担当者の頭の中ではなく、会社として決めた場所に
- ワンタイムパスワード用スマホ:登録した電話番号の端末がないとログインできません。機種変更・番号変更時の手続きも忘れずに
- 引き継ぎのルール:代表者の交代や担当者の退職時に、誰がどう引き継ぐか
実践:補助金を検討し始めたらこの順番で
手順1. 公募要領で「GビズIDの要否と種類」を確認する
応募したい補助金が電子申請か、プライムが必要かを確認します。
手順2. 代表者がプライムを申請する(無料)
マイナンバーカードがあればオンラインで、なければ書類で申請します。ここが全体のボトルネックなので、最優先です。
手順3. 発行を待つ間に、申請書類を準備する
事業計画書や見積書などの準備は、発行待ちと並行して進められます。電子申請全体の段取りはjGrants申請前の準備の記事にまとめています。
GビズIDの確認チェックリスト
- 応募したい補助金に必要なIDの種類を確認したか
- 代表者のプライムを取得済みか(または申請中か)
- ワンタイムパスワード用のスマホが使える状態か
- ID・パスワードの管理場所を決めたか
- 担当変更・機種変更時の引き継ぎを決めたか
よくある質問
取得や利用に費用はかかりますか?
かかりません。取得も利用も無料です。「取得代行」の名目で手数料を求める勧誘があったら、応じる前に商工会議所などの窓口に相談してください。
個人事業主でも取得できますか?
できます。法人だけでなく個人事業主も対象です。本人確認の方法や必要書類が法人と異なる部分があるので、公式サイトの個人事業主向け案内を確認してください。
取得を誰かに代行してもらえますか?
プライムは代表者本人による取得が原則です。操作が不安なら、商工会議所・商工会の窓口で手順を教えてもらいながら進めるのが安全です。IDとパスワードを他人任せにすると、その後の行政手続き全般をその人に握られることになります。
取得しましたが、この後どう使うのか分かりません
補助金であれば、jGrantsにGビズIDでログインし、公募中の補助金を検索して申請フォームに進む流れです。ログインできることを一度確認しておくだけでも、締切前の安心感がまったく違います。
まとめ
GビズIDは、補助金申請の入口になる無料の共通アカウントです。
- 補助金の電子申請には原則「プライム」が必要(エントリーでは足りないことが多い)
- 発行に時間がかかることがあるため、検討開始と同時に取得する
- 取得後はID・スマホ・引き継ぎの管理ルールを決めておく
補助金でのホームページ制作を考えている方は、申請前チェックリストの記事もあわせてご覧ください。
小松のホームページ制作では、補助金申請用の見積書の用意など制作側の準備に対応しています(申請手続きの代行は行いません)。お気軽にご相談ください。