本文へスキップ
AI活用・業務効率化 2026年7月現在の情報

AI担当者がいない会社の進め方:社長ひとりで始める現実的な導入手順

「AIを導入したいが、うちには詳しい社員がいない」——中小企業のAI導入で、活用場面の次に多い悩みがこれです。IT担当者どころか、パソコンに強い人すら一人もいない。それでも、AIの導入は進められます。

結論から言うと、小さな会社のAI導入に必要なのは「詳しい人」ではなく「業務を知っている人が、小さく試し続ける仕組み」です。この記事では、社長ひとりでも回せる現実的な進め方を解説します。

「詳しい人がいないから無理」は誤解

大企業のAI導入では、システム部門がツールを選定し、研修を組み、全社に展開します。この形をイメージすると「うちには無理」になりますが、小さな会社に必要なのは正反対の進め方です。

生成AIは、日本語で話しかければ答える道具です。プログラミングの知識は要りません。それよりも重要なのは、「どの業務のどこが手間なのか」を知っていること。つまり、社長や現場のベテランこそが、実は導入の適任者です。

社長ひとりで進める3原則

原則1. 全社導入ではなく「自分の1業務」から

最初の実験台は自分です。自分が毎週やっている文章仕事を1つ選び、まず自分だけでAIを使ってみます。うまくいったものだけを人に渡す。この順番なら、社員への説明も「これ、便利だったから使ってみて」の一言で済みます。

原則2. 完璧な体制づくりを目指さない

規程集、全社研修、ツール比較表——準備を固めるほど導入は遅れます。最初に必要なルールは紙1枚の利用ルールで十分です。特に「顧客情報を入力しない」の一線だけは最初に引いてください(詳しくは入力情報の基本ルール)。

原則3. 「うまくいった型」を貯める

担当者がいない会社の弱点は、ノウハウが個人の頭に残らないことです。対策はシンプルで、うまくいったAIへの指示文をメモアプリに貼って貯めるだけ。この「型の貯金」が、そのまま社内マニュアルになります。型の作り方は指示文テンプレートの記事を参照してください。

実践:4週間の進め方

手順1(第1週). 自分の業務で30分試す

メール返信、お知らせ文、議事メモなど、自分の文章仕事を1つ選んで試します。何に使うか迷う場合は業務別マップの記事で選んでください。

手順2(第2週). 週の中で使う場面を固定する

「月曜のお知らせ作成はAIで下書き」のように、使う場面を決めてしまいます。思い出したときに使う形だと、忙しい週に忘れて、そのまま自然消滅します。

手順3(第3週). 社員を一人だけ巻き込む

文章仕事が多い社員を一人選び、自分のうまくいった型を渡して試してもらいます。全員に一斉に、はやらないこと。二人になると「使い方をもう一人が知っている」状態になり、属人化のリスクが半分になります。

手順4(第4週). ルール1枚と型置き場を共有する

利用ルール1枚と、貯めた指示文の置き場(メモアプリや共有フォルダ)を社内に公開します。ここまで来れば、「担当者がいないから進まない」状態は抜けています。

外部の力を借りるという選択肢

それでも一人では不安な場合、外部に頼る方法があります。

  • 公的な相談窓口:商工会議所・商工会や、国が設置する無料経営相談窓口(よろず支援拠点)では、デジタル活用の相談を受け付けています
  • 民間の伴走支援:業務の聞き取りから型づくり、社内への定着までを一緒に進める形です。「導入を推進する人」を短期間だけ外から借りる、と考えると分かりやすいと思います

どちらを使う場合も、丸投げではなく「自社の業務を一番知っているのは自分」という前提は変わりません。外部はあくまで、進め方の道案内役です。

進め方のチェックリスト

  • 最初の実験台を「自分の1業務」にしたか
  • 「顧客情報を入力しない」の一線を最初に引いたか
  • 使う場面を曜日・業務で固定したか
  • うまくいった指示文を貯める場所を作ったか
  • 二人目に渡す準備(型とルール1枚)ができているか

よくある質問

社長の自分が一番パソコンに弱いのですが

その場合は、社内で一番文章仕事をしている人(事務担当など)を「一人目」にしてください。大事なのは肩書きではなく、文章仕事の当事者であることです。社長の役割は、ルールの一線を引くことと、試す時間を業務として認めることに変わります。

社員に任せたら、その社員が辞めたときが心配です

だからこそ「型の貯金」を共有の場所に置きます。ノウハウが指示文の形で残っていれば、人が替わっても引き継げます。属人化するのはツールではなく、書き溜めた型を独り占めさせる運用のほうです。

どのくらいの期間で効果が出ますか?

この記事の4週間を終えた時点で、選んだ業務の下書き時間は目に見えて変わっているはずです。ただし会社全体の効率が変わるのはもっと先で、型が貯まり、使う人が増えるほど効いてくる性質のものです。短距離走ではなく積立と考えてください。

外部の伴走支援は何をどこまでやってくれますか?

提供者によって幅がありますが、一般的には「業務の棚卸し→使う業務の特定→型づくり→社内勉強会→定着の確認」といった流れです。契約前に、どこまでが範囲か、終わったあと自走できる形で残るのかを確認するのがおすすめです。

まとめ

AI担当者がいない会社でも、導入は止まりません。

  • 必要なのは詳しい人ではなく、業務を知っている人が小さく試す仕組み
  • 自分の1業務→場面の固定→二人目→ルールと型の共有、の4週間で回す
  • ノウハウは「うまくいった指示文」の形で貯めて、属人化を防ぐ
  • 不安なら、公的窓口や伴走支援で「推進役」を外から借りる

小松のAI活用支援は、まさにこの「推進役の外部化」をお手伝いするサービスです。担当者ゼロからの導入も、お気軽にご相談ください

← コラム一覧に戻る

まずはお気軽に
ご相談ください

ホームページ制作・MEO・AI導入など、小さなご質問でも構いません。